
腎臓病の治療
食事に気をつける
特に気をつけたい成分
腎臓病の患者さんが、特に気をつけたい成分は「タンパク質」「エネルギー」「塩分」です。
ただし、どの成分にどれくらい気をつけるかは、患者さんによって違っています。
目安を知るためには、病院で定期的に検査を受けることが大切です。
とる量の目安
成分 | 目安 |
---|---|
タンパク質 | 0.6~1.0g/kg × 標準体重※1/日 |
エネルギー | 25~35kcal/kg × 標準体重/日 (肥満気味の方は20~25kcal/kg × 標準体重/日でもよい) |
塩分 | 3~6g/日 |
出典:慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版
※1 標準体重とは、その身長に対する理想の体重のことです。身長(m)×身長(m)×22で計算します。
実際の体重ではありません。
タンパク質
体を作るために必要な成分です。体を動かすエネルギーとしても使われます。
● とりすぎると…
タンパク質が使われて残った不要なものが体に溜まりすぎると、腎臓を傷つけたり、尿毒症※2の原因になったりします。
※2 本来は尿として捨てるべきものが溜まりすぎて、体に不調が起こることを言います。
初期には食欲不振や吐き気が出ることがあります。
上手にとるコツ
タンパク質は米、パン、芋、野菜、果物などにも含まれています。
1日に必要な量のタンパク質の半分以上は、筋肉になりやすい肉・魚からとるようにしましょう。低タンパクに調整されたお米やパンを利用するのもよいでしょう。
【注意】
タンパク質が足りないと、筋肉が減って、QOL(生活の質)に影響します。
エネルギー
体を自由に動かすために必要な成分です。
タンパク質以外に、糖、脂質がエネルギー源になります。
● 足りないと…
体に力が入らなくなったり、筋肉が減ったりします。
上手にとるコツ
タンパク質を制限している分、砂糖や脂質からエネルギーをとる必要があります。一品は油を使ったおかずにするとよいでしょう。
サラダ油やマヨネーズ、ドレッシングは少量でもしっかりとエネルギーがとれるので、上手に利用しましょう。
【注意】
エネルギーをとりすぎると、肥満の原因になります。
塩分
体内のバランスを整えたり、栄養分の吸収を助けたりします。
● とりすぎると…
血圧が上がり、むくんだり、腎臓を傷つけたりします。
上手にとるコツ
おかず1品の味を濃くして味にメリハリをつけましょう。
塩の代わりに、うまみ、酸味、スパイスなどを利用しましょう。
塩の代わりに、うまみ、酸味、スパイスなどを利用しましょう。
加工品に含まれる塩分をチェックして、塩分が多い食品はなるべく避けましょう。
調味料は計量スプーンなどで量り、1日の塩分量を守りましょう。
加工品に含まれる塩分をチェックして、塩分が多い食品はなるべく避けましょう。
調味料は計量スプーンなどで量り、1日の塩分量を守りましょう。
参考資料:
慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版
監修:成田 一衛 先生