腎臓病の治療
モデルケース①:糖尿病性腎臓病
糖尿病性腎臓病のDさんの1日を見てみましょう。
Dさんは糖尿病が進み、腎臓の働きが悪くなり始めています。
現在は糖尿病の治療を続けつつ、腎臓をいたわる生活を心がけています。
お示しする患者さんの生活はあくまで一例です。
実際に行う食事療法、運動療法の内容は、主治医と相談して決めましょう。
朝の習慣(血圧の測定/薬の服用)
Dさんは朝起きると、トイレに行き、尿が泡立っていないことを確認しました※1。着がえて、朝食の前に血圧※2を測りました。
朝食の前後には、薬を使います。Dさんは朝食前、朝食後、昼食後…と、使うタイミング別に薬を分けて、食卓の近くなどに置いています。
※1 尿の様子は腎臓の状態を表す目安になります。毎日のチェックが大切です。
※2 血圧は1日の間に上がったり下がったりするため、朝と夜、決まった時間に毎日血圧を測っています。糖尿病に高血圧が合併すると、心筋梗塞などが起きやすくなるので、血圧には特に注意が必要です。
外食時の工夫
昼間に使う薬を持ち、友人と出かけました。お昼は定食屋に入り、肉野菜炒め定食を注文しました。
注文する時には、次のことをお願いしました。
- ①肉野菜炒めは薄味にしてもらう
- ②ご飯は小ライスにしてもらう
- ③野菜のおひたしには醤油はかけないでもらう
- ④漬物はいらない
Dさんは、おかずなどの量や調味料に気をつけて、塩分とタンパク質をとりすぎないようにしています。
食べる時も、味噌汁の汁は飲まないなどの工夫をしています。
タンパク質の量を調節
家に帰ったDさんは、昼食の内容を奥さんに報告しました。
今日は、タンパク質が少し多めです。奥さんは、夕食の魚を少し減らして、今日のタンパク質の量を調整することにしました※3。
※3 腎臓の働きが悪くなっている場合、食事で塩分とタンパク質をとりすぎると、腎臓に負担をかけてしまうからです。
食後の運動
夕食の1~2時間後に、Dさんは20分ほどウォーキングしました※4。
運動中も家に帰ってきてからも、足や腰に痛みが出ていないことを、こまめに確認します。
※4 運動は、食事をしてから1時間くらいが適していますが、日常生活の中でやりやすい時間帯で構いません。
早めの就寝
ウォーキングから帰り、お風呂で汗を流しました。入浴後30分ほど休憩してから、夜の血圧を測り、血圧が安定していることを確認しました。
おやすみなさい、Dさん。