腎臓にまつわる病気
骨と腎臓
骨粗しょう症は骨の中がスカスカの状態になり、骨がもろくなる病気です。腰や背中が痛くなる、身長が低くなるといった症状が出て、年をとるにつれてだんだんと進んでいきます。 特に、閉経後の女性に起きやすいことが知られています。(詳細は「閉経と腎臓」を参照)
最近では、高血圧、糖尿病、腎臓病などの病気があると、骨粗しょう症になりやすくなることが分かってきています。なかでも腎臓病と骨粗しょう症とは、深い関わりがあるとして注目されています。
腎臓の病気があると
腎臓は、骨を強くするのに大切な働きを持つ活性型ビタミンDを作っています。活性型ビタミンDは、骨を丈夫にするカルシウムを腸で吸収する時に必要です。
ところが、腎臓の働きが悪くなると、活性型ビタミンDがうまく作られなくなります。すると、腸からカルシウムがうまく吸収されなくなり、骨が弱くなっていきます。
また、吸収されるカルシウム量が減ってくると、骨のカルシウムが溶け出しやすくなります。
骨は「質」も大切
骨粗しょう症には、骨をスカスカにするだけでなく、骨の「質」にも関係していることが分かってきています。
腎臓病などの病気があると、骨を強くするための支えが弱くなっていきます。
すると、骨の密度は正常でも、骨の「質」が悪くなって、骨折しやすくなると考えられています。
参考資料:
骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015年版
監修:成田 一衛 先生