腎臓にまつわる病気
痛風と腎臓
血液中に尿酸値が高い状態を放っておくと、尿酸※1のかたまり(結晶)ができてしまい、それが足指のつけ根部分の関節に溜まって腫れることがあります。これが、風が吹くだけで痛いと言われている痛風の症状です。
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- 通常私たちの体の中では、タンパク質が分解されたり新陳代謝が活発になったりすると、プリン体という物質が作られます。プリン体はさらに分解されて尿酸になり、尿と一緒に体の外に出されます。何らかの理由で尿酸を体の外に出しにくくなっていたり、プリン体をたくさん含む肉類や魚類などをとり過ぎたりすると、血液中の尿酸値が高くなってしまいます。
高尿酸血症の目安
血しょう中の尿酸値が7.0mg/dL以上の時、高尿酸血症の可能性があります。
出典:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(第3版)
痛風が続くと・・・
尿酸の結晶は、足指の関節だけでなく全身の臓器などにもできてしまいます。
尿酸の結晶が腎臓に溜まって炎症が起きてしまうと、腎臓の働きが悪くなって、「痛風腎」と呼ばれる状態になります。
痛風腎になると腎臓の炎症が長引きやすく、さらに腎臓の働きが悪くなってしまいます。
また、腎臓に尿酸が固まった結石が作られることがあります。
結石は尿管を傷つけることがあるため、おなかや背中が痛くなったり、血尿が出たりすることもあります。
痛風腎にならないために
血液中に尿酸が多い方は痛風腎になりやすいため、まず食生活を見直すことが大切です。
プリン体を多く含む卵類や干物などを食べ過ぎないように注意しましょう。
また、尿酸が尿から体の外に出されやすくなるように、水分を十二分にとって尿の量を増やすよう心がけましょう。
水分を多くとることは腎臓結石を予防するためにも重要です。血液中に尿酸が多い状態が続く時には、尿酸を減らすお薬を飲んで治療することもあります。
高尿酸血症の治療の目安
血しょう中の尿酸値が6.0mg/dL以下を目指します。
出典:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(第3版)
参考資料:
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(第3版)
監修:成田 一衛 先生